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NO.6 3巻を読んで考えたこと

*ネタバレが嫌な方は読まないでください

   NO.6とはあさのあつこさんが作者の小説です。バッテリーが主な代表作としてあげられますね。

 そしてNO.6はそんなあさのさんが描いたSF作品と呼べる小説です。

 主人公は紫苑とネズミという名前の2人の少年です。この2人を中心に本作は進んでいきます。 

 紫苑とネズミは境遇が全く違います。まず紫苑はNO.6と呼ばれる都市の中でエリートと呼ばれる存在でした。物語が開始時、つまり1巻のときは12歳でしたが3巻では17歳くらいです。その1巻の時にエリートだった紫苑が犯罪者としてNO.6内を逃亡していたネズミを紫苑が助けることとなります。この時もネズミは12歳ですね。不思議な出会い方をした立場も境遇も異なる2人。紫苑はケガをしていたネズミを受け入れ、ケガを治療し匿うことにしました。しかし、これが原因で紫苑はエリートの資格を剥奪されクロノスと呼ばれる高級住宅街からロストタウンと呼ばれるクロノスと比べ格が落ちる街へ追われました。母と紫苑はこのクロノスで不便ながらも毎日をイキイキと楽しく暮らしていました。そしてとある事件が起き、紫苑はNO.6の中の犯罪者認定を受けてしまいます。その後、治安局または矯正施設?(のどっちかだったかな)に連れて行かれそうになります。そこをネズミに助けられ、NO.6の外である、西ブロックと呼ばれる場所でネズミと暮らすことになります。この西ブロックがまたとても厄介な場所で今まで徹底的に管理されていたNO.6とは間逆の環境でした。一言で言えば治安がとても悪い場所。そこで紫苑は今までにしたことのない経験をしながらNO.6で生きることにしました。 、、、ここまでが1.2巻のお話です。

 3巻では少し話が進みます。紫苑の親友である、サフと呼ばれる少女が矯正施設に連れて行かれてしまったことを知ったネズミはこのことを紫苑に話すべきか非常に悩みます。なぜならば矯正施設とは一度、入ったら生きては戻ってこれない場所とされているからです。(実は1巻のネズミはこの矯正施設から逃げてきた)しかし、紫苑はある店でサフがお気に入りのコートを偶然、発見してしまいます。そしてサフが矯正施設に連れていかれたことを確信して1人で助けに行こうとします。しかし、紫苑がこっそり抜け出したつもりがネズミにはバレてしまいます。2人は殴りあい、語り合い、和解し、理解し合います。そして、2人で矯正施設へ乗り込むことを決意します。、、、という所で3巻は終わります。 

  このNO.6という作品はとても極端です。NO.6内では飢餓がない、治安も良い。だが裏がある都市として描かれています。そして外の西ブロックでは飢餓が存在し、治安も悪く、死がいつもつきまとうような場所として描かれています。管理されている社会や人々はその中にいると管理されていることには気がつかない。飢えることもしらず疑問を抱くこともせず、ただ従うだけ。その上、NO.6を批判するものに対して徹底的に排除をしようとする。とても恐ろしい世界です。一方、西ブロックでは管理されておらず、無法地帯。明日のご飯にもありつけない人々が潜在し、道端で餓死することも珍しくない。しかしそこにいる人々は生きることにとても貪欲である。私個人としてはもしも、どちらかを選ばなけばならないとしたら西ブロックを選ぶと思います。なぜならば環境が厳しくとも、人間らしく誰にも管理をされずに生きることを望むからです。考えることも許されない都市は正直、怖いです。

 NO.6は世界観が興味深いです。そして対比されるNO.6と西ブロックの違いが面白いです。これは現実世界にもありえる話です。日本はとても平和な国ですが、一方で北朝鮮イラク、シリアのような国も存在します。餓死や戦死が存在する国はまだまだあります。現実に当てはめて読んでいくのも中々、面白いのではないでしょうか。  

 *すべて自分の勝手な考察と感想です