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映画 沈黙ーサイレントーをみて感じたこと

 

沈黙ーサイレントーをみて感じたこと 

  1. 神は本当に存在するのか天国もまた本当に存在するのか
  2. キリシタンを迫害する側である、幕府の言い分がごもっとも
  3. 江戸初期の長崎下でのキリシタンの迫害がむごい

この沈黙という映画は江戸初期にキリスト教の信仰が禁止されキリシタンの迫害が行われている長崎にポルトガルの聖職者・聖教師の2人が彼らにキリスト教を教えた先生が棄教したとの連絡を受けてその確認をする為、長崎にも向かうことになるというお話。このポルトガル人の2人の聖教師はマカオで出会ったキチジローという日本人男性を案内役に迎えて日本の長崎を目指した。しかしそこで彼らがみたものはキリスト教を信仰しているだけで迫害されていく日本のキリシタンたちである。当時の日本のキリシタン達は村ごとに幕府の目から逃れるように隠れてキリスト教を信仰していた。しかし2人の聖教師が異国でもキリストの教えで人々を救えることを感じていたのもつかの間、村が幕府側にキリスト教を信仰しているとバレてしまい4人の人間が踏み絵とキリストの十字架につばを吐くことを命じられる。しかし踏み絵を踏むことができなかった3人。(キチジローがこの4人の中にいたが彼は両方できた。だが彼は前にも自分の命を救う為に踏み絵を踏んだことと自分以外の家族は踏まなかった為、処刑されてしまい、結果的には裏切る形となり罪悪感を抱えることとなる)このつばを吐くことができなかった3人は十字架に縄で括り付けられてそのまま海で亡くなるまで放置され続けた。この様子をポルトガルからきた2人の聖教師は影から見守る。聖教師はこのような目にキリシタンが合うたびに神はなぜ沈黙をしているのかこのような苦しみや苦悩を与えているかを考え悩む。どんどんどんキリシタン達が踏み絵を踏んでいかない為、拷問にかけられたり、処刑されたりしていく。だが聖教師はあくまでキリスト教の信仰と信者を見捨てない。しかし最終的に幕府に捉えられてしまい棄教することとなる。その上、キリスト教を聖教師に教えた先生が実際に棄教し、日本名を名乗り日本人の女性と結婚していた。彼はかなり変わり果ててしまった。この様子をみた聖教師は大きな衝撃を受ける。

 一方、幕府側がキリスト教を禁止し迫害する理由が存在する。日本は沼地のような国でキリスト教の教えが浸透しないこと、日本人は昔から自然に神を見出すこと、江戸時代の日本において鎖国をしていた日本にとってキリスト教は国内の治安や政策や統一をするにあたり邪魔になると考えらていた。そしてやはり仏教神道が主流の国であるのでキリスト教は邪道であった。まだ理由がありこれは作中でキリシタン達を拷問する井上さまの言葉であるが4人の女性が喧嘩をし争いを起こしていたから城から追い出すことで平和を取り戻すこと。これはつまり日本にやってきて喧嘩をしているオランダ、イギリス、ポルトガル、スペインを追い出し平和を取り戻す。その一環でキリスト教の信仰を禁止しキリシタンを迫害しているとのこと。しかもキリスト教を信仰していたとしても踏み絵を踏みさえすれば自由の身になる。あくまで形式的に踏み絵を行っていることが分かる。

だが聖教師は拷問で苦しむキリシタン達とキリスト=神はここでもなぜ沈黙をしているのかと問い続ける。

 私がこの映画を見て感じたのは迫害する側もされる側もどちらも悪でもなく正義の味方でもないということ。キリシタン達は自分の信仰を守ってきただけ。幕府も日本という国を守る為に行ってきていること。どこの国にも歴史を遡っていくと異教徒の迫害の歴史があるものだがこのようにして自分の国で実際にこのような迫害があったことは教科書に中でも知識ではあっても映像で見ることはなかなかない。なかでも切なかったのはポルトガルからきた聖教師が処刑されていき拷問されていくキリシタン達をみてなぜ神は彼らを救わないのか神など天国などないのではないかと葛藤している場面である。2人いた聖教師は片方がキリシタンを救おうとして海で亡くなりもう片方は棄教を形だけしているが心の中では亡くなるまでキリスト教を信仰していたという最後である。その間、キリスト教の教えを否定する文を書かされたり踏み絵を定期的に行うなど完全に棄教しているかの確認を国は行い続けた。私達が教科書で読んで終わってしまっている歴史がまだまだあると思ったのでもっと歴史について知りたい感じた。

 映画の作りもものすごく日本的で劇中にはほとんど音楽が使用されていいなかった。だから静かな印象を受ける。でも緊張がずっと続いている。江戸時代は本当にこうだったのかもしれないと思いながら見ることができる。そのくらい世界観が徹底されていた。だけど拷問シーンや残酷な処刑シーンがあるのでこういうのが苦手な人は見るべきではないと思います。

 見た人にはとても考えさせられる映画になっています。

*自分の勝手な意見です。